春風だより

2月号《春…令和》 春風館を今春卒業する子ども達へ その3

先月に引き続き、春風館を卒業する子どもの保護者にメッセージをお願いしましたのでご紹介します。

 

《Family》

運動が得意ではない優香が7年間も剣道を続けられたのは、春風館だったからだと思います。 館長は時に厳しく、時に楽しく目標に向かって努力し続けることを教えてくださいました。

副館長は、どんな時でも逃げずに真っ直ぐ前へ進むことの大切さを教えてくださいました。

これは剣道だけではなく日々の生活にもつながるものでした。

 

突然の中学受験を希望した時も、部活に馴染めず道場へ通い直すと決めた時も、優香の気持ちを理解し受け入れてくださったことに感謝しています。苦楽を共にし心を許した仲間がいる、ゆうかさんと慕ってくれる後輩がいる。だからなかなか稽古に行けなくても、みんなに会えば笑顔になれました。だから受験も頑張り続けることができました。

 

こどもに向き合ってくださった先生方、いつも側で支えてくれた仲間、陰から暖かく見守ってくださった保護者の方々、みんなの中で優香が強く大きく成長できたことに感謝しております。

 

1人1人目標に向かって巣立つ時が来ました。困難なことや岐路に立つこともあると思います。そんな時は春風館で学んだことを思い出し勇敢に勇気をもって真っ直ぐに突き進んでくれることと信じています。

                                                       中学3年生出水優香の母 奈保美

 

 

《子どもを育てる多様な目》

長男がこの春、春風館と中学校を卒業する。妊娠した時から数え、16年近く長男をよりよく育てようと思い続けてきたことになる。悩み、考え、学び、働きかけてきたことは、どの親御さんとも同じ。しかし、何年たっても、いっこうに子育てなんて、わからない。わからないことがますます、わかる。

4年前、私は助人(すけっと)を求めた。夫、学校の先生以外で、共にわが子を知り、共に育ててくれるさらなる助人。英語でpartnerか。それが、春風館の館長、副館長、事務長、保護者の方々だった。

もともと、剣道をさせたかったのではなく、息子をよりよく育てたい気持ちからの入館だった。入館の際、春風館は、「剣道を通じて」人を育てる、と説明を受けた。

あれから、4年。同時期に入館した二男、三男もすっかり剣道・春風館三昧の生活になっている。私自身は、あまり道場に顔を出さないし、送迎もしていない。だから、三人の息子たちの会話についていけないことがしばしばある。三人はしょっちゅう喧嘩している。傍から見て決して仲がいい兄弟ではない。けれど、放課後はいつも春風館道場に一緒にいる。三人で一緒にいる。そして、集団の中でのお互いのふるまいを見合う。帰ってから、お互いのふるまいや言動、果ては技についてダメ出しをし合う。容赦なく言いたいことを言い合う。

私は、そばで聞いてないふりしてこれを聞くのが好きだった。

そして、この貴重な時間が、長男の卒業で終わる。

先日、館長先生と二男、三男、私の四人で、二人の帰る時間がだらだらし始めていることについて話し合った時のことだった。(この話題は、春風館、私、子どもたち、それぞれの価値がぶつかる私にとっては悩ましい話題だ。だから、館長先生もそれを感じ、真剣に向き合ってくださった。)その時、どの流れだったのか覚えていないが、館長先生が、二人にこうおっしゃった。

「俺は、剣道の先生。だからお前たちとは剣道を通じてしか関われない。」

この意味は、重い。

 

私たちは、人と関わってしか生きていけない。集団の中で、一人の存在が大きく集団に影響する。まして、子どもの集団では、その見守り役の大人の存在は極めて大きい。その大人がどんな人物かが、子どもの価値創造に大きく影響する。

 

学校の先生は選べないが、習い事の先生は、親が選べる。剣道、ピアノ、水泳他、習い事はその技能上達ももちろん願う。しかし、それ以上に親が子に「出会ってほしい大人」を意識的に、または無意識的に選んでいる。

そして、技能習得に終わりはない。何年たっても、師を越えられないことが多い。だから、師との関係は一生続く。影響は大きく、長い。

 

私も息子たちも、春風館に育ててもらった。育ててもらっている。そしてこれからも、育てて頂こうと思っている。子育ては、いろんな価値をもった大人が寄って、お互い意見をぶつけあって喧嘩しながらでも、みんなでした方がいい。春風館で、私はそんなことを実感している。

 

                                                                     中学3年生妹尾倖輔の母 賀奈子

 

今月の試合結果

2/9西日本選抜少年剣道大会

幼年の部 敢闘賞

上土居弦太郎 清水凱太

 

中学2・3年生男子の部 三位

横尾澪音

 

2/16北九州

中学女子の部 三位

濱﨑理乃 赤星海綸 石原琴乃(小5で頑張った)

 

みんなおめでとう☆