春風だより
3月号《春…令和》 春風館を今春卒業する子ども達へ その4
いよいよ卒業の月になってしまいました。
最終月は、今年度の春風館キャプテンと副キャプテンの保護者にメッセージをお願いしました。
《門出》
息子が春風館の門をくぐって13年になりました。
人生の大部分を春風館の一員として過ごし、幼かった息子はもう15歳となり春風館を卒業します。
春風館での剣道中心の生活は、いつの間にか当たり前でかけがえのないものとなっていました。
稽古や遠征の送迎、試合前後の仲間との会話や真剣な表情を見て息子たちの成長を実感しました。
そして私自身も春風館に大きく成長させてもらいました。
息子がこれまで歩んできた道には出会いや別れ、喜びや悲しみ、感動や絶望。。。
言葉では言い表せないほどの思い出があります。
13年間の中で一番印象に残っている出来事は、小4の時から毎年行っていた日本武道館での全国大会予選です。
中2の時は出場できず過呼吸になるほど悔しがっていた姿を見て、私の胸も痛みました。
翌年臨んだ最後の全国大会の予選では、キャプテンとして、そして大将として仲間と共に見事に勝ち抜くことができました。
その時の喜びと感動は今でも脳裏に焼き付いています。
春風館との出会いは息子の人生を大きく左右しました。
それは息子の発言や素振りを見て感じます。
館長に出会わなければ息子は今どんな人生を送っているのか時々考え、当たり前の生活の中で息子に与えてくれた大きな存在に感謝しています。
館長・仲間・春風館が大好き。この気持ちで息子は育っていきました。
そして春風館での充実した環境で過ごした日々、鍛えられた強い気持ちで数々の奇跡を起こすことができました。
これからそれぞれ新しい環境で新生活が始まります。
そして様々な試練を乗り越える力を備え、夢に向かい自分の道を歩んでいく事と思います。
今まで13年間いつも澪音に向き合い、いつも包んでくださった館長・おじいちゃん先生。
そして我が子のように見守ってくださった父兄のみなさん。
いつも一緒に過ごしてくれた門下生のみなさん。
澪音についてきてくれてありがとうございました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
中学3年生横尾澪音の母 美樹
《感謝》
「春風館は家族だから」
入門当時、事務長がおっしゃった言葉です…そしてその言葉どおり娘の成長は道場とともにありました。
小学生の夏休み、初めて「道場を辞めたい」と泣きじゃくる娘の傍らで館長は呼吸を合わせ、一つずつ一つずつ娘の混乱した気持ちを整えてくださいました。
一方的に誘導するのではなく「なぜ」「どうして」と娘の心に言葉を投げ掛け、本人の口から答えを引き出していくのです。
すると、娘も感情の矛盾が理解出来たのでしょう…数時間後には「どうして辞めたいって言ってたんだろう?」と言い出す始末(笑)…お見事でした。
暑い日でしたが、娘の気持ちが落ち着くまでじっくり向き合ってくださったその姿に感動したことを覚えています。
そしてそれ以降、娘から「辞めたい」と聞いたことはありません。
少しの変化も見逃さない直球勝負の館長を信用し、道場を信頼し、一緒に子育てをしていただきました。
多感な中学の三年間を乗り越えることが出来たのも、館長、副館長、ともに稽古をする仲間との毎日があったからだと感謝しております。
また、わが子のように娘をいつも温かく見守ってくださった父兄の方々、本当にお世話になりました。
おかげさまで希望の高校に進み、一点の曇りもなく旅立つ春を迎えました。
今日まで刻んできた思い出と経験を糧に、春風館のOBとして益々精進してもらいたいと思います。
道場に携わるすべての方に心よりお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
中学3年生濱﨑理乃の母 公美